たまには子どもと添い寝をしながら、こんなお話を聞かせてあげましょう。 [おもしろ民話集 24]
むかし、まだ鳥たちが話をすることができたころのお話です。あるところに、大変美しいお妃をもった、ひとりの王様がいました。王様は、かわいいお妃のいうことは、何でも聞いてやりました。
ある日、お妃が 「すてきなおふとんを持ってきてちょうだい」 というので、王様は絹のふとんをもっていきました。ところが、「こんなのじゃだめ、羽のふとんよ」 といいます。そこで、王様は世界中の鳥を呼び寄せました。王様は、鳥たちの羽をぬいて、お妃のために羽ぶとんをつくってやろうと思ったのです。
鳥たちは、すぐに集まってきましたが、フクロウだけは来ません。フクロウは、お日さまが沈んでから、やっと現われました。
王様は、「お前は、どうして午前中にこなかったのだ」 と、フクロウにたずねました。
すると、フクロウは、「王様、私は男と女の数をくらべ、それから昼と夜の数をくらべていたのでございます」 と答えました。
「で、男と女は、どちらのほうが多かったかな?」 「女のほうが多うございました」
「では、昼と夜はどちらが多かったかな?」 「昼のほうが多うございました」
「昼のほうがどうして夜より多いのかな。夜も毎日あるではないか」 「王様、月の輝いている夜は、夜のうちに入りません。昼と同じでございます」
「なるほど。しかし、男と女の場合は、どうなのだ。男はそれぞれ妻をもっておるぞ」 「王様、奥さんのいいなりになっているような男は、男のうちには入りません。女と同じでございます」 と、フクロウは答えたのでした。