● 人一倍つよかった負けん気
小学生のころのケネディは、偉人の伝記を読んだり、国の歴史の本を読んだりして、ひとりで静かに考えてすごすのがすきでした。しかし、負けん気は人いちばいつよく、ふたつ年上の兄とレスリングやボクシングをしては、負けても、負けても、兄にむかっていきました。ふたりが、公園の広場をそれぞれ反対に走って1周してくる自転車競走では、死にものぐるいにペダルをふんで、ついにゴールで兄の自転車と正面しょうとつして大けがをしたこともありました。
造船所の副支配人をしていた父は、ふたりの子どもが戦っているときは、弟のケネディが、どんなに投げとばされていても、どんなになぐられていても、けっしてとめません。
「どちらも負けるな。さいごまで戦うのだ」
「どんなことも1番になれ。2番は負けだ」
兄もケネディも、いつも父から、こう言い聞かされていたのです。でも、兄弟の仲が悪かったのではありません。血がでるほど戦ったあとでも 「よくがんばったなあ」 「このつぎは負けないからね」 といいながら握手するほどの、仲のよい兄弟でした。こんな負けずぎらいと、やさしさが、大統領への道を歩ませたのです。
ケネディ(1917-1963)──人間の自由を愛し「勇気ある戦い」に生きて、46歳の若さで凶弾にたおれた悲劇のアメリカ大統領。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
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