● 文学、歴史、神学、語学、詩、乗馬、剣術──おどろくほどよく勉強
裕福な法律家の家に生れ、自分も法律家として進む道をさだめられていたゲーテは、小さいときから、おどろくほどよく勉強しました。先生は、厳格な父と家庭教師でした。このころにも、もちろん学校はありました。しかし、貴族や金持の家では子どもを学校には入れず、家庭教師などをやとって自宅で学ばせたのです。
法律をはじめ文学、歴史、神学、語学、詩、乗馬、剣術──このなかで、いちばんとくいだったのは語学でした。自分の国のドイツ語のほか、イタリア語、ラテン語、ギリシア語などを学び、10歳のときには、ギリシア語で新約聖書を読めるほどになっていました。そして、旧約聖書に興味をもつと、どうしても原典で読みたいと思うようになり、ヘブライ語まで学びました。
でも、文法のような規則を勉強するのはきらいでした。人におしつけられないで、自分の思うとおりに自由に学ぶのが楽しかったのです。
また、小さいときから、人形しばいごっこをして遊ぶなど、しばいもたいへんすきでした。10歳のとき、家が、フランクフルトへ進駐してきたフランス軍の宿舎になったことがありました。このとき軍人たちが楽しんだ劇を、おとなにまじって、ひと晩もかかさずに見たということです。
15歳のとき、父のもとを離れて大学へ進むと、こっそり絵を学び、シェイクスピアを愛読し、詩をつくり、3歳上の女性に恋をし……、こうして小説家、詩人、劇作家への道を進んでいきました。
ゲーテ(1749〜1832)──「若きウェルテルの悩み」「ファウスト」などの名作を生み出したドイツの文学者。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。なお、「せかい伝記図書館」では、世界と日本の歴史に名を残した最重要人物100名の「伝記」、重要人物300名の「小伝」をすべて公開する計画です。「伝記」終了後、ひきつづきゲーテを含む「小伝」に移りますので、ご期待ください。