● 船で商売の旅にでた父を、ひたすら待ち続ける
マルコポーロは、15歳になるまで、父の顔を知りませんでした。
父は、マルコがまだ母のお腹の中にいるときに船で商売の旅にでたまま、もどってこなかったのです。
マルコは、母から父の話を聞き、いつもベネチアの港へ行って、心にえがいた父を待ちました。14歳のときに母が亡くなり、ひとりぼっちになりました。マルコは、それまで以上に海の向うをみつめて父を待ちつづけました。
15年ぶりにもどってきた父は、心にえがいたとおり、たくましい船乗りでした。マルコは、これまでのさみしさを忘れました。ところが父が再婚し、継母を迎えることになり、またもさみしい日を送らねばなりませんでした。
しかし、10数年ものあいだ見知らぬ東の国ぐにを旅してきた父は、マルコの誇りでした。そして、そんな父から胸がわくわくする冒険の話を聞くのが、なによりも楽しみでした。
ある日、マルコは目を輝かせて父に言いました。
「ぼくも、海の向うの知らない国へ行ってみたい。どんなことにも負けないから──」
こうして、マルコは17歳のときに父といっしょに船に乗り、25年間もの冒険の旅をつづけることになりました。そして、その旅を1冊の本にまとめあげたものが『東方見聞録』です。
マルコポーロ(1254〜1324)──25年ものあいだ命がけの旅をつづけ『東方見聞録』を残したイタリアの商人。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
http://www.izumishobo.co.jp/onlinebook/c02_denki/maruko/index.html