● ぼうしも菓子もすてて逃げた
小学校へ行きはじめたダーウィンは、山や森で、虫や鳥をかんさつするのが、とくいでした。でも、ふだんは、ほかの子どもよりも、すこし、ようちでした。
ある日のこと、ひとりのいたずらっこの友だちが、ダーウィンをお菓子屋へつれていくと、お菓子をかったのに、お金をはらわないで店をでてきました。そして、ふしぎに思っているダーウィンに、いいました。
「ぼくの、おじさんがお金もちだから、このぼうしを、こんなふうにふると、お金をはらわなくてもいいようになっているんだ。ぼうしをかしてやるから、きみも、やってみたらどうだい」
よろこんだのはダーウィンです。ダーウィンは、店へいくと、ぼうしをふりながら、お菓子をにぎって、店からでてきました。ところが、大きな声におどろいてふりむくと、お菓子屋の主人が、目をつりあげて追いかけてきます。さあ、びっくりしたダーウィンは、お菓子も、ぼうしもなげだして、いちもくさんに逃げました。
これを見て、友だちがわらっています。店の主人は、その友だちの家を知っていて、その子だけは、お金は、あとではらえばいいようになっていたのをダーウィンは知らなかったのです。ダーウィンは、このときほど、びっくりしたことはありませんでした。
ダーウィン(1809〜1882)──生物は、下等なものから高等なものへと進化したことをとなえたイギリスの博物学者。
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