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「吉田松陰」 のこども時代

● 10歳で藩主の前で古典を講義する
長州藩 (長門国・今の山口県の一部) の身分の低い杉家の次男として生れた松陰は、4歳のとき、おじの吉田家の仮養子となり、翌年、そのおじが死んだため正式に吉田家を継ぎました。吉田家は、藩の学校明倫館で山鹿流の兵学を教える家柄でした。
吉田家を継いだものの、おじがいないため松陰は杉家で暮し、神を敬い先祖を尊び、働くことと学ぶことを愛するという父の教えを受けながら育ちました。また、政治や人の道を教える儒学も学び、人間の正しい生き方を考える少年へと成長していきました。
10歳のとき、藩主や家来をあっといわせました。主君の前で堂々と講義をやってのけたのです。15歳にもなると、主君に問われればその場で中国の兵学者孫子の教えなども説いて、さらに人びとを驚かせました。
松陰は、主君を心から尊敬し、命さえ惜しまぬことを決心しました。しかし、それは、主君の命令であればどんなことにも従うというのではなく、自分の心をたいせつにし、自分の信じる道で仕えるという考えでした。命じられるままに 「はい、はい」 と言うのは、決して正しいことではないと信じたのです。
19歳で明倫館の師範になりました。ところが松陰はそんなことでは満足せず、やがて長崎へ下って西洋の学問を学び、江戸へ上ってはあらゆる師を求めて儒学や兵学を学び続けました。どんな短い時間をも惜しんでの勉強ぶりはすさまじく、その努力が、やがて松下村塾で多くの志士を育てる力になったのです。
吉田松陰(1830〜1859)──幕末に多くの志士を育てわずか29歳で獄死した学者。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。なお、「せかい伝記図書館」では、世界と日本の歴史に名を残した最重要人物100名の「伝記」、重要人物300名の「小伝」をすべて公開する計画です。「伝記」終了後、ひきつづき吉田松陰を含む「小伝」に移りますので、ご期待ください。

投稿日:2006年11月17日(金) 09:15

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)