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「雪舟」 のこども時代

● 習字を書いていると、いつのまにか字が絵になっていた

雪舟は、7歳か8歳のころ、生まれた家の近くの寺に小僧としてあずけられ、坊さんになる修業をはじめました。
ところが、しばらくすると、坊さんになる勉強には、あまり身がはいらなくなってしまいました。習字を習っていると、いつのまにか、字が絵になってしまうのです。
ある日雪舟は、とうとう、きびしい罰をうけました。こらしめのために寺の本堂の柱に、くくりつけられてしまったのです。
雪舟は、すぐ絵をかいてしまう自分が悪いとわかっていましたから、はじめは、がまんしました。でも、夕方ちかくになってくると、だれもいない本堂にひとりぼっちでいるのがさみしく、いつのまにか涙をこぼしはじめました。
やがて、そこへ、そろそろ雪舟を許してやろうと、おしようさんがやってきました。すると、雪舟は、うつむいていっしょうけんめいに足の指を動かしています。おしょうさんは、ふしぎに思って近づいてみました。そして、思わず 「あっ」 と声をあげてしまいました。雪舟の足もとに、1匹のネズミがいたからです。
ところが、ネズミは動こうとしません。よく見ると、雪舟が床に落ちた涙をすみのかわりにして、足の指でかいたネズミです。
それからというもの、おしようさんは雪舟が絵をかいても、もう、けっしてしかりませんでした。

雪舟(1420〜1506)──少年時代から墨で絵をかきつづけ、生涯をかけて日本の水墨画を完成させた画僧。

詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。近日中にアップする予定ですので、ご期待ください。

投稿日:2006年10月20日(金) 09:12

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)