● 炭鉱の蒸気機関をながめながら、粘土で模型をつくって遊ぶ
スチーブンソンの父は、炭鉱の坑内にわきだす水を外にくみだす蒸気機関の、かまたきでした。家は、1軒の家に、よその3家族といっしょに住まなければならないほど貧乏でしたから、スチーブンソンは学校へも行かせてもらえません。学校へ行くどころか、友だちと遊びたいのもがまんしてもはたらかなければなりませんでした。
少年スチーブンソンの仕事は、牧場の番でした。1日じゅう、ヒツジを見まもっているのは、たいくつです。だから、いつも、遠くに見える炭鉱の蒸気機関ばかりながめていました。シュッシュ、シュッシュ、シュッシュ、シュッシュ。まるで生きもののように動いている蒸気機関をながめていると、これを動かしている父がうらやましくてしかたがありません。そこで、スチーブンソンは、粘土をとってきては、牧場の草の上で、いくつもいくつも、蒸気機関の模型を作りました。
14歳になった年から、炭鉱ではたらくことになりました。父の助手です。顔や手がまっ黒になっても、蒸気機関のそばにいられるだけで、しあわせです。18歳になると、夜の学校へ通って 「そんなに大きいのに、字も読めないの?」 と笑う年下の子どもたちと机を並べてABCを学び、やがて、本が読めるようになると自分の力で蒸気機関の研究をつづけて、世界の「鉄道の父」 への道を、まっしぐらに進んで行きました。
スチーブンソン(1781〜1848)──小さいときから蒸気機関に興味をもち、自分の力で勉強をつづけて蒸気機関車を発明した鉄道の父。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
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