● いじめられると、すぐに涙を流した泣きむし弱むしの少年
ニュートンは、孤独でした。ニュートンがうまれる前に父が亡くなり、まもなく母も、2歳のニュートンを置いて再婚してしまったのです。祖母に育てられたニュートンは、いつも家にばかりいる、ひよわな子どもでした。6歳で村の小学校へあがってからも、少しいじめられると、すぐ涙をながし、みんなに 「泣きむしニュートン」 と、からかわれました。
学校の成績も、クラスでおしまいのほうでした。でも、工作だけは、だれよりもじょうずでした。友だちとはあまり遊ばず、毎日、日時計や水車や風車などのもけいを作って、すごしました。
6年生のときのことです。ニュートンが、小川で小さな水車の実験をしていると、クラスいちばんのわんぱくな子がやってきて 「泣きむしニュートンに、そんなものが作れるものか。だれかに作ってもらったんだろう」
と、からかいました。すると、ニュートンは、あっというまにとびかかって、その子をこうさんさせてしまいました。「そんなものが作れるものか」 と言われたのが、がまんできなかったのです。
さあ、つぎの日から、ニュートンを泣きむしと呼ぶものは、もういません。「力いっぱいぶつかれば、ぼくだって負けないんだ」 ということがわかったニュートンは、それからは勉強にも力を入れ、やがて成績も、クラスで1、2番になりました。そして、わからないことは自分の頭で深く考える少年へ、成長していきました。
ニュートン(1642〜1727)──努力で自分の人生を切りひらいて万有引力を発見したイギリスの大科学者。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
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