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「西郷隆盛」 のこども時代

● 大けがにも仲間のあざけりにも負けず、学問にはげみ続ける

小さいころの隆盛は、近所の仲間たちから、いつも 「貧乏人の子のくせに……」 と、わらわれました。父は、さむらいでも身分が低く、それに7人の子どもたちがいて、家がたいへんまずしかったからです。
でも、どんなにまずしくてもさむらいの子です。隆盛は、6、7歳のころから藩の学校へかよって、読み書きを学びながら、いっぽうでは示現流という剣術にはげみました。また、水泳やすもうで、からだをきたえました。からだがでかく、目玉が大きく、いつもだまっているのっそりした少年でしたから、みんなに 「大目玉ののろ吉」 などとよばれましたが、大きくなったら、強いりっぱなさむらいになることを、心にちかっていたのです。
ところが、11歳のとき、弱いものいじめをする子とあらそって、右うでを、いためてしまいました。相手の子の剣でうたれた右うでは、まっすぐのびなくなってしまい、もう、剣術の強いさむらいになることはできません。隆盛は、悲しくなってしまいました。
しかし、このとき、寺の和尚さんに 「剣術に強いばかりが、さむらいではない。剣がだめでも、学問にはげんだらよいではないか」 と、教えられました。そして、それからは、いっしょうけんめいに学問にうちこみ、人に尊敬される人間へ成長していきました。心の強い隆盛は、片うでの大けがなどには負けずに、仲間から 「貧乏人の子」 「大目玉ののろ吉」 などと、あざけられたのにも負けずに、英雄への道をすすんでいったのです。

西郷隆盛(1827-1877)──右腕の大怪我にも仲間のあざけりにも負けず、人に尊敬される人間へ成長していった英雄。

詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
http://www.izumishobo.co.jp/onlinebook/c02_denki/saigou/index.html

投稿日:2006年09月21日(木) 09:10

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)