● 貧しい家へお見舞いに
ナイチンゲールは、おとぎの国のお城のような家に生まれ、たくさんのめし使いにかこまれて、不自由なことは、なにひとつないのに、みんなと楽しくすごすよりも、まずしい家をたずねるのがすきでした。心のやさしいナイチンゲールのお母さんは、いつも、まずしい家へ、おくりものをしていました。幼いナイチンゲールは、お母さんといっしょにでかけているうちに、自分からすすんで、まずしい家の病人のところへ、おみまいに行ったり、看病に行ったりするようになったのです。
「おじょうさんは、ほんとうに、天使のようなお方だ」
まずしい人たちは、ナイチンゲールのやさしさに、心のなかで手をあわせました。
でも、ナイチンゲールは、ほんのすこししかしてあげられないのが、いつも悲しくてしかたがありません。
「まずしい人や、病気になっても医者にもみてもらえない人が、こんなにたくさんいるのに、わたしは、ぜいたくなくらしをしている。これでいいのかしら」
ナイチンゲールは、こんなことを考え、しだいに、人のために役立つしごとを、夢みるようになっていきました。
ナイチンゲール(1820〜1910)──上流社会に生まれながら、楽しい生活をすてて病人の看護に生涯をささげた、白衣の天使。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
http://www.izumishobo.co.jp/onlinebook/c02_denki/naichinge/index.html