● 誰からでも学べる、まわりの人はみな先生
孔子は、小さいときに父を亡くしましたが、その父は、戦争で手がらをたてて貴族となった、勇かんな武士でした。
しかし、孔子は、父のあとをついで武士になる気持ちは全くなく、少年のころから、自分は学問の道へ進むことを心にきめていました。13歳のころから学校へ行きはじめました。いまからおよそ2500年も前のことですから、学校といっても、村の年よりたちから、村に伝わっている古い話や、人間として守らなければいけないことなどを聞くだけの、ほんとうにそまつな学校でした。
でも、こんな学校で学んだことは、孔子には、かえってしあわせなことでした。年よりから話を聞くほかは、どんなことも自分の力で学んでいくことのたいせつさを、教えられたからです。
孔子は、村の人たちが 「しつこく聞かれるのには、まったくかなわないよ」 と逃げだしてしまうほど、だれにでも、いろんなことを聞きました。孔子にとっては、どんな人からでも、なにかを学ぶことができ、自分のまわりの人たちみんなが、先生だったからです。
記憶しておく知識よりも、どうしたら人間としてりっぱに生きていけるか、ということをたくさん学び、学んだことは、すぐ実行していきました。そして、いつも自分からすすんで人の意見を聞き、自分の行ないがまちがっていれば、すぐ、それを正し、やがて、自分の信じたことを、多くの人びとへ説くようになっていきました。
孔子(BC551〜BC479)──国と人との正しい道を説きつづけて「論語」を残した中国の学者、思想家。
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