● 寝しょんべんたれの泣きべそ
子どものころの龍馬は、たいへん、いくじがなく、みんなにバカにされました。
小さいときは、いつも鼻水をたらしていました。また、いくつになっても、寝しょんべんのくせがなおらず、近所の子どもたちに、口をそろえて、からかわれました。
12歳のころから、塾にかよいはじめましたが、さっぱりものおぼえが悪く、先生から 「君には、もう教えようがない。明日からこなくてもよい」 と、きらわれました。そして、塾の帰りに、まちぶせした子どもたちにいじめられては、大声で泣きながら、家へもどりました。友だちがまちぶせしているのがこわくて、走りながら、まわり道をして帰ってくることもありました。
そんなとき、母が亡くなりました。龍馬は悲しくてしかたがありませんでしたが、この龍馬を、母のかわりに、きびしく、やさしくみちびいてくれたのは、三つ年上の姉でした。
「泣くのは、やめなさい。男は、もっと強くならなければいけません」──姉にはげまされて、龍馬は、すこしずつ、たくましい子になりました。そして、14歳のころから剣術や馬術や水泳を習いはじめると、もうけっして泣かない青年へ、成長していきました。
坂本龍馬(1835〜1867) は、新しい時代を夢見て生き、薩長同盟を成立させて大政奉還を実現に結びつけた幕末の志士。
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