● 兄弟で物をつくったりこわしたり
弟のオービルと、4歳うえのウィルバーは、1日じゅうでも、物を作ったり、こわしてみたりして遊ぶのがすきでした。台所を実験室にしてさわいでも、母は 「あとは、きちんと、かたずけるのよ」 と、やさしくいうだけで、なにもしかりませんでした。また、父も、ふたりの機械好きをよろこんで、家のだいじな大工道具を使うのを許してくれるほど、やさしい人でした。
ある日、ふたりは、旅行から帰ってきた父から、めずらしいおみやげをもらいました。ゴムで小さなプロペラをまわして飛ばすヘリコプターのおもちゃです。ふたりは、このヘリコプターにむちゅうになりました。飛ばして遊んだだけではありません。どうして飛ぶのかを考えると、すぐ同じものを作って、みんなをびっくりさせました。そして、このおもちゃのヘリコプターが空へ舞いあがるのを見ては 「あれが、ほんものだったら、乗って空を飛べるのになあ」 「空を飛んでみたいなあ」 と、語りあいました。これは、オービルが7歳、ウィルバーが11歳のときのことです。ふたりは、こうして空への夢をふくらませるようになり、やがて大学へ行くのをやめて自転車屋を開くと、もうかったお金をつぎこんで、飛行機の研究にとりくむようになっていきました。
ライト兄弟 = 兄・ウィルバー(1867〜1912) 弟・オービル(1871〜1948)──子どものころからの夢を育て、世界で初めてエンジン飛行機で空を飛ぶのに成功した兄弟。
詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。
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