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くしゃみって、なぜでるの ?

たまには、子どもたちに身近な科学のおもしろさを、お話ししてあげましょう。「おもしろ科学質問箱 35」

鼻の穴は、空気を身体の中にすいこむための入り口の役目をしています。空気の中には、ほこりやばい菌など、いろいろなゴミがまじっているので、なんでもそのまま吸いこんでしまうと、病気の原因にもなります。 そのため、空気を吸いこむときには、ゴミをできるだけ少なくしてから、肺に送りこまなくてはなりません。人間の身体はよくできていて、まず、鼻の中にあるたくさんの鼻毛が大きなゴミが入りこむのをふせぎ、鼻の中のしめった粘膜が小さなゴミやほこりをすいとることで、空気をきれいにしています。

ときには、この小さなゴミが鼻の粘膜にある神経(しんけい)を刺激することがあります。 くしゃみは、「鼻の粘膜にある神経が、粘膜についたゴミやのどについたゴミを、勢いよく吹きだす行動」で、人間の反射作用のひとつです。くしゃみは、かぜをひいたときのように、鼻の粘膜がはれて興奮しやすくなっていると、ちょっとした刺激でもおこります。また、コショウやトウガラシのような鼻の粘膜をしげきしやすい物が鼻にとびこんでくることが原因でおこったり、視神経が急に、明るい光に刺激されたときにもおこるようです。

大むかしから、くしゃみは特別な意味があると考えられてきました。古代ギリシア人やエジプト人は、未来のできごとを知らせるもの、危険を警告するもので、右にむかってくしゃみをすればよいことがおこり、左をむけば悪いことがおこるといわれていました。ローマ人は、くしゃみは悪霊をおいはらってくれると考えて、だれかがくしゃみをすると「悪霊追放・がんばれ」というようになったといわれています。16世紀にイタリアで疫病がはやったとき、ローマ法皇グレゴリオ13世は、お祈りをとなえるようにというおふれを出しました。欧米人が、くしゃみをした人に「ゴッド・ブレス・ユウ」(あなたに神のめぐみがありますように) という習慣は、このときからしっかり根づいたそうです。

なお、くしゃみのスピードは時速320km、新幹線並みの速さになるので、くしゃみがでそうになったら、手のひらやハンカチで口や鼻をふさぐようにしたいものです。


「12月10日にあった主なできごと」

1896年 ノーベル死去…ダイナマイトを発明したスウェーデンの化学技術者ノーベルが亡くなりました。「人間のためになると思って苦労して発明したものが、人々を不幸にしている」── そう気づいたノーベルは、死ぬ前に遺言を書きました。「財産をスウェーデン科学学士院に寄付するので、そのお金の利子を人類の平和と進歩のためにつくした人に賞として贈ってほしい」。こうしてノーベルの死後5年目の1901年から、遺志にしたがって「ノーベル賞」を贈ることがはじまり、命日であるこの日が授賞式となりました。なお、今年の日本人受賞者はありませんでしたが、昨年は、iPS細胞を作製し再生医療実現に道を開いた山中伸弥が、19人目のノーベル賞(医学生理学賞)を受賞しています。

投稿日:2013年12月10日(火) 05:20

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)