たまには、子どもたちに身近な科学のおもしろさを、お話ししてあげましょう。「おもしろ科学質問箱 25」
ドライアイスというのは、空気にもふくまれる気体の二酸化炭素(炭酸ガス)に大きな圧力をかけてちぢめ、冷やして作った固体の二酸化炭素です。ドライアイスの温度は、とても冷たくて、マイナス78.5度以下です。水がこおる0度よりずっと低いので、ドライアイスをつかむときは、ハシでつまむか、手袋をしないと凍傷をおこしてしまうので、注意しましょう。
ドライアイスをコップの中の水に入れると、ブクブクあわが出て、けむりのようなものがコップからあふれ出てきます。このあわは二酸化炭素で、とても冷たいドライアイスが水から熱をうばって、気体になってしまうためです。白いけむりのようにみえるのは、空気中にある水蒸気がドライアイスに冷やされて、小さな氷(固体)や水(液体)のつぶになり、これが雲のようなけむりにみえるためです。
氷(固体)は、熱をもらうと水(液体)になり、さらに熱をもらうと水蒸気(気体)になります。これを物質の三態(3つの姿)といいます。固体から液体になるのを「液化」といい、液体が気体になるのを「気化」とか「蒸発」するといいますが、ドライアイスは特別な物質で、固体から液体にならず、固体からいきなり気体になります。この特別な気化を「昇華」といいます。ドライアイスが、アイスクリームの箱の中にいれられたり、魚や肉など腐りやすいのを冷凍して、遠くまで運ぶのに利用されているのは、この特性を生かしたものです。
ドライアイスを使ったおもしろい実験を子どもにみせてあげましょう。空気の入っていない風船にドライアイスのかけらを少し入れて、口をとじます。しばらくすると、風船はどんどんふくらんできます。これは、ドライアイスが二酸化炭素にかわるとき、その体積が750倍に増える現象です。大きくなりすぎて、風船を破裂させないように気をつけてください。
「8月6日にあった主なできごと」
1660年 ベラスケス死去…スペイン絵画の黄金時代を築いた17世紀を代表する巨匠ベラスケスが亡くなりました。
1881年 フレミング誕生…青かびからとりだした物質が大きな殺菌力をもつことを偶然に発見し、ペニシリンと命名して世界の医学者を驚かせたフレミングが生まれました。
1945年 広島に原爆投下される…アメリカ空軍B29爆撃機が、人類史上はじめて原子爆弾を広島市に投下しました。爆心地から半径500m以内の人々はほとんどが即死、2km以内の建物は全壊、爆発とそののちの火災で、市内95000戸の9割が灰となりました。市民およそ31万人のうち、罹災者は17万人をこえ、死者および行方不明者92000人以上、重軽傷者123000人以上と、日本占領軍アメリカ総司令部(GHQ)は翌年発表しましたが、じっさいの死者は1945末までに14万人をこえていたといわれます。