おもしろ科学質問箱 17
海岸の浅瀬で潮干狩りを楽しんでいるうち、あっというまに潮が満ちてきて、びっくりした体験をした人は多いことでしょう。
潮の満ち干は、おもに月の引力によっておこります。地球の表面が月に近いところでは、月の引力が海水を引きつけ、その反対側には遠心力が働くために、やはり海水が盛り上がります。これが満ち潮です。
その中間では、両側に海水が引き寄せられるために、水の量がへるため水面が下がります。これが引き潮です。
月は、地球を毎日ひとまわりするために、満ち潮と引き潮は1日に2度おこるわけです。でも、地球には海もあれば陸地もあり、その陸地も複雑な海岸線や島など凸凹のあるところが多く、潮の満ち干は場所によってずいぶん違いがあります。九州の有明海では、満ち潮と引き潮の差が5mもあるのに対して、日本海では10〜20cmです。カナダ東海岸にあるファンディ湾では、干満の差は15m以上もあり、世界一だそうです。
地球は、月の引力だけでなく、太陽の引力でも引っぱられます。ただし、太陽は月よりずっと遠くにあるため、地球への影響力は、月の45%程度です。太陽・地球・月とまっすぐに並んだとき(満月)や、太陽・月・地球と並んだとき(新月)が、一番干満の差が大きく、これを大潮といいます。その中間、月・地球・太陽が直角に並んだ(上弦の月・下弦の月)ときは、月の引力と太陽の引力が打ち消しあうため干満の差が少なく、これを小潮(こしお)といいます。