たまには、子どもたちに身近な科学のおもしろさを、お話ししてあげましょう。「おもしろ科学質問箱 31」
私たちは日常、「熱が高い」「熱が低い」「平熱」といったことを口にしますが、いったい熱ってなんなのでしょう。むかしは、「熱は、熱いものから冷たいものへ流れる、目に見えない液体のようなもの」と考えていました。この空想上の液体は熱素(カロリック)とよばれていました。
今では、水や空気、食物や私たちの身体などは、すべて物体といって、分子や原子と呼ばれる小さな粒(つぶ)でできているということがわかりました。そして、「熱というのは、物体の中の原子や分子がたえず行っている運動」だということがわかっています。
たとえば、「水は、通常(1気圧)の時、摂氏0度以下では氷、0度〜100度で液体、100度をこえると気体」になります。固体の氷は、分子がわずかに動いている状態なので、さわるととても冷たく感じます。液体の水は、0度〜100度まで温度が高くなるほど分子の運動量が大きくなっていきます。気体の水蒸気になると、分子が活発に動いている状態で、さわるとやけどするほど熱く、大きな熱エネルギーを持っていることがわかります。私たちがよく使う「温度」とは、熱エネルギーの大小を表すためのもので、熱エネルギーが大きいほど高い温度になります。分子の運動するエネルギーが「熱」の正体だからです。
熱は、エネルギーのひとつの形で、熱の量をはかるというのは、エネルギーの量をはかることで、熱量はカロリーという単位で表します。1カロリーというのは、「1グラムの水を摂氏1度だけ上げるのに必要なエネルギーの量」です。
「10月24日にあった主なできごと」
1708年 関孝和死去…江戸時代前期の数学者で、「和算」とよばれる数学の理論を世界的なレベルまで発展させた関孝和が亡くなりました。
1929年 暗黒の木曜日…アメリカのニューヨークにある株式市場で、株が史上最大の暴落をしました。その日が木曜日だったため「暗黒の木曜日」といわれています。5日後にもまた値下がりが続き、わずか2週間ほどで株価が半分以下となって、アメリカ経済は大混乱となりました。多くの人が財産を失い、失業者があふれ、自殺者もでる騒ぎになりました。こうしてアメリカではじまった大恐慌は、全世界をまきこむ「世界恐慌」へつながっていきました。