たまには、子どもたちに身近な科学のおもしろさを、お話ししてあげましょう。「おもしろ科学質問箱 27」
火は、光と熱を発してものが燃えることです。ものが燃えることを、科学では「燃焼(ねんしょう)」といいます。燃焼にはいろいろな種類がありますが、どの燃焼も、空気中の酸素がもえる物質と結びつくことによっておきます。物質と酸素が結びつくことを酸化といい、この酸化反応(化合)が急激にすすむと熱のために温度が高まり、物質は赤く光ったり、明るい炎が出たりします。これが、私たちが感じる「火」の正体です。火は物質ではなく、物質と酸素が反応して熱と光を出している「現象」といってよいでしょう。
自動車のエンジンの中でも燃焼がおこっています。ガソリンが酸素と化合するのですが、燃焼がとても急速にすすむために、燃えるといわず「爆発」といいます。また、おなじ酸化反応でも、鉄がさびる場合のように、低温でゆっくりと起こる酸化も、燃焼とはいいません。また、ゆっくりと酸化がすすむうち、その熱が外へ逃げ出せないために熱がたまって温度があがり、ついに炎がでることがあります。これが自然発火です。油をふいたあとのボロキレを、密閉した場所に積んでおいたりすると、燃焼がおこることがあるので、気をつけましょう。
燃焼に必要なものは、 @ 酸化反応を促す「熱」があること A 酸素と結びつく燃えるもの(燃料)があること B 酸化反応をおこす「酸素」があること 以上の3つです。これを火の3要素といって、このうちの一つでも奪うことができれば、消火することが可能となります。
「酸素」は、私たちをとりまく空気中に21%含まれているのでしたね。燃焼がおきると、空気中の酸素が燃料の炭素と結びついて、二酸化炭素(炭酸ガス)ができます。
私たちの身体の中でも、ある燃焼がおこって熱とエネルギーを生みだしています。そのために呼吸により酸素を吸収し、燃焼させたあとの炭酸ガスを、呼吸で外へはきだしているのです。
「10月10日にあった主なできごと」
1911年 辛亥革命…中国の清に対し、湖北省の武昌で兵士による反乱(辛亥革命)がおこりました。これがきっとかけとなり、翌年1月に古代から続いた君主制が廃止され、孫文を臨時大総統とする共和制国家「中華民国」が南京に成立しました。
1964年 東京オリンピック開催…第18回オリンピックが、東京・国立競技場で開会式が行われ、この日から15日間、94の国と地域から選ばれた5558人の選手が競いあいました。日本は、重量挙げ、体操男子、レスリング、柔道、女子バレーなどで過去最高の金16、銀5、銅6のメダルを獲得、国民の多くはテレビに釘付けとなりました。