たまには、子どもたちに身近な科学のおもしろさを、お話ししてあげましょう。「おもしろ科学質問箱 22」
唾液(だえき=つば)というのは、だ液腺から口のなかにでてくる液のことです。ばくぜんと出ているようですが、左右の耳の前と、舌の下、下あごのあたりの4か所にだ液腺があります。人はだ液を、1日に1〜1.5リットルだし、一生のあいだに、およそ2万5千リットルも、だ液をだします。
耳の前にあるだ液腺は、水分の多いだ液を大量に出して、おもに食べものをうすめてしめらせる役目をし、下あご周辺の2つのだ液腺は、食べものをなめらかにする働きをします。そのため、水気の多い食べもののときは、下あごのほうのだ液腺が活発にはたらき、水気の少ない食べもののときは、耳の前のだ液腺が水分を活発に出すというように、役割に応じて、だ液腺からの量をうまく自動調節しています。
だ液にはアミラーゼという酵素が含まれていて、デンプンに作用してその分子をこわして、消化しやすいようにマルトース(麦芽糖)にかえるはたらきをします。そのほか、口の中の粘膜を保護したり、洗浄、殺菌などの働きもしています。
しめった食物を食べる動物はほとんどだ液を出さず、魚にはだ液腺がないので、だ液を出しません。いっぽう、穀物や草を食べる動物は、だ液腺がとくべつに発達しています。たとえば牛は、なまの草を食べているときのだ液は1日におよそ50リットルに対し、干し草を食べているときのだ液は、1日におよそ200リットルにものぼるそうです。いつも、よだれをたらしているのは、そのせいなのだそうです。
「7月18日にあった主なできごと」
1572年 室町幕府滅亡…応仁の乱後、室町幕府は世の中を治める力を失っていましたが、第15代将軍足利義昭が、織田信長に京都を追放されたことで、およそ230年続いた室町幕府が亡びました。
1952年 大賀ハス開花…植物学者の大賀一郎博士は、千葉市にある弥生時代の遺跡から見つけた2000年も前のハスの実を発芽させ、ついに花を咲かせました。「大賀ハス」と名づけられ、全国各地で今も花を咲かせています。