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読み聞かせた本を買う

「読み聞かせ」のすすめ 15

これは、ある3歳児の母親の話です。

私は、子どもが3歳になったときから、絵本の読み聞かせを始めました。毎日なんて気負ってもできそうにありませんでしたから、1週間に1回です。1か月に4冊だとすれば1年間に50冊、この子が小学校にあがるまでには200冊くらい読み聞かせてあげることができると考えたのです。

読み聞かせる本は、図書館から借りることにしました。中小企業に勤める夫の収入では、とても2〜3千円の絵本代をひねりだすのはむずかしいと思ったからです。ところが、読み聞かせを始めて4か月たったころから、月に2冊ずつくらいは、書店で買い求めるようになりました。それも、すでに一度は読み聞かせた絵本を……。

10冊くらい読み聞かせたころから、子どもが「あの本、もういっぺん読んで」というようになり、その本を再び借りてきて読み聞かせるうちに「すばらしい本は子どもに何度でも感銘を与えるものだ。それなら、そんな本はいつも子どものそばにあるようにしてやろう」と考えるようになったのです。

こうして、居間にある、夫の手づくり書架の中には、「おおきなかぶ」「ぐりとぐら」「ねずみくんのチョッキ」「からすのパンやさん」「かさじぞう」「かたあしだちょうのエルフ」など、およそ40冊の絵本が並んでいます。

──思い出のいっぱいつまった書架は、きっと家族の宝物となることでしょう。

投稿日:2008年12月17日(水) 09:09

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)