「読み聞かせ」 のすすめ 4
読み聞かせる本──読み聞かせが成功するかどうか、それは本の選び方にかかっているといってもよいでしょう。
まず第1は、おとなの目で選ぶのではなく、聞き手の子どもを大切にしたいものです。せっかく高い本を買ってきて読み聞かせるのだから、少しでも内容の濃い、少しでも多く子どもが学びとってくれるものをなんて考えて選んだ本は、きまって、子どもはおもしろくないと思ってしまうもの、読み聞かせをはじめたばかりの子どもには、とくにそうです。
ふだんの生活の中で、いつもそっと子どもを見つめ、語りあい、今この子の心のなかでどんなことを求めているのか、どんなことに心をふるわせるかを思いやり、それにあわせて選ぶことができれば理想的です。
わが子が 「のらねこ、かわいそうね」 といったのを思い出して、『ちいさいねこ』 『11ぴきのねこ』 を読み聞かせ、子どもをいっぺんに絵本好きにしたという話や、電車のおもちゃに夢中になっている子に、『きかんしゃやえもん』 を読み聞かせて大成功したという例もあります。
子どもを育てることはすべてそうですが、本の読み聞かせも、わが子の心にあたたかく寄りそうことが大切ですね。