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本好きと本嫌いには 「心のあり方」 に大きな差

「読み聞かせ」のすすめ 14

ある小学校の先生が、次のような話をしてくれました。

担任のクラスの子どもは3年生38人、このうち、自分からすすんで童話や物語の本を読む子は、半数に満たない17人。残り21人は、学校での「読書の時間」には本を読んでも、ふだん、自分から読むことはほとんどしない。ひと言でいえば、本を読む子よりも読まない子のほうが多く、この傾向は、年ごとに進む。

そこである日、読書についての実態を調べるついでに、38人に手をあげさせて、小学校へあがる前に、親から本の読み聞かせをしてもらった子がどれくらいいるかを調べてみた。すると、一つのことがはっきりした。本を読む17人のうち、読み聞かせの経験をもつ子が8人。本を読まない21人のうち、読み聞かせの経験をもつ子は1人。つまり、就学前に、親から読み聞かせをしてもらった子どもは、そのほとんどが「自分から本を読む」ようになっているということ。

3年生、4年生になって、本のきらいな子を本好きにするのは、とても大変だ。教師が努力をしても、本嫌いの10人のうち1人か2人しか本好きにすることはできない。だから、幼児期の「母親の読み聞かせ」をもっと盛んにやってほしい。本を読む子と読まない子は、教科の点数には差はなくても、「心のあり方」には、思いがけないほどの差がでてくる──。

幼児期の「読み聞かせ」には、それほどの価値と意味があるのです。

投稿日:2008年12月08日(月) 09:15

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)