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自分が読めるようになっても続ける

「読み聞かせ」のすすめ 7

読み聞かせは、子どもが小学校の中学年になっても高学年になっても続けてよいものか、いつまでも読み聞かせをしていると、自分で読むことをしなくなるのでは? こんな疑問を持つ人がよくおられます。

たしかに「読み聞かせ」は、まだ文字が読めない幼児期を対象に、本を通じて子どもの心を豊かにし、幼いうちに読書への興味を育てるというのが主なねらいです。

でも、子どもが自分で本を読めるようになったら、もうおかしいというものではありません。子どもが2年生、3年生になったら「おもしろそうな本を自分でもさがしてごらん」とすすめるのはよいことですが、「もう文字が読めるようになったのだから、これからは自分で読みなさい」と急に突き放すようにするのは好ましいことではありません。字が読めるのと、本の内容を理解するのとは大きな違いがあるからです。

子どもが自分から「もう自分で読む」といいだしたときは、「そう、それはいいわね」とほめながら、一方で「お母さんと読むのも少しは続けようよ」とか「読み終えたらお母さんにも読ませて」と要求するのもよいでしょう。家庭での親子読書へ発展していけばすてきなことですし、読書の楽しさを知れば、自分で本を読まなくなるという心配は無用です。

投稿日:2008年10月17日(金) 09:15

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)