「読み聞かせ」のすすめ 7
読み聞かせは、子どもが小学校の中学年になっても高学年になっても続けてよいものか、いつまでも読み聞かせをしていると、自分で読むことをしなくなるのでは? こんな疑問を持つ人がよくおられます。
たしかに「読み聞かせ」は、まだ文字が読めない幼児期を対象に、本を通じて子どもの心を豊かにし、幼いうちに読書への興味を育てるというのが主なねらいです。
でも、子どもが自分で本を読めるようになったら、もうおかしいというものではありません。子どもが2年生、3年生になったら「おもしろそうな本を自分でもさがしてごらん」とすすめるのはよいことですが、「もう文字が読めるようになったのだから、これからは自分で読みなさい」と急に突き放すようにするのは好ましいことではありません。字が読めるのと、本の内容を理解するのとは大きな違いがあるからです。
子どもが自分から「もう自分で読む」といいだしたときは、「そう、それはいいわね」とほめながら、一方で「お母さんと読むのも少しは続けようよ」とか「読み終えたらお母さんにも読ませて」と要求するのもよいでしょう。家庭での親子読書へ発展していけばすてきなことですし、読書の楽しさを知れば、自分で本を読まなくなるという心配は無用です。