「読み聞かせ」のすすめ 11
週のうち4日をパートで働く33歳の主婦の話です。
「私の、3歳と5歳の子どもへの読み聞かせは、月に2回です。第1と第3の日曜日の午後1時から3時まで。12時半に家を出て、帰ってくるのは3時半。場所は家からバスで20分ほどのところにある図書館の児童室。児童室の片隅にすわって、まず、2人の子どもを前にかみしばいの熱演をはじめます。そばにいるよその子も集まってきます。ますます熱が入ります。
かみしばいが二つ三つ終わると、それから、2人の子が自由に選んできた本を、かわりばんこに読みます。私がまん中、両わきに子ども。声を出して読むのが最初ははずかしかったのですが、およそ10か月たった今はもう平気。絵本が主ですから、1時間半で6〜7冊。すでに読み聞かせた絵本でも、子どもが持ってくれば『このお話が好きなのね。お母さんも好きよ』といって、何度でも読みます。
こうして3時になると、本をきれいに片付け、カウンターの前に行って母子3人声そろえて「ありがとうございました」と礼を言って帰ってくるのです。今の私にとって、こんな楽しい時間はありません。この前は『あなた方が<ありがとうございました>といってくれるものだから、ほかの子どももそういってくれるようになりました』と、図書館の人によろこばれました」
すてきな読み聞かせですね。形にとらわれない、こんな自由な読み聞かせもあるのです。