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「やきがまわる」「はめをはずす」「なしのつぶて」

おもしろ「言葉」のおこり 4

● やきがまわる

もともとは刀鍛冶の専門用語です。刀の刃を鍛えるときに熱することを「焼き」といいますが、火が入りすぎると、逆に、切れ味が悪くなってしまいます。つまり「焼きがまわりすぎた」ということになり、これが、年をとったりして、腕前や能力が落ちる時に使うようになりました。

● はめをはずす

馬を制御するためにくわえさせた金具、あるいは荒馬の口にはめた縄を馬銜(はみ)といい、「はめ」の語源はこれだといわれています。つまり、「はみ」をはずすと、馬は自由になり、荒馬はあばれます。したがって、人間が調子に乗って気ままにふるまうことを「はめをはずす」というわけで、はめをはずす者は馬並みだということでしょうか。

● なしのつぶて

手紙を出しても返事がないときに「なしのつぶて」などといいますが、語源は、求愛の返事からきているようです。つまり、昔は、つぶて(小石)を相手に投げて恋を告白し、つぶてが返ってくることを期待しました。つぶてが返ってこないと、恋は失恋に終わり、このことから、音信のないことを「無しのつぶて」、音が同じところから「梨のつぶて」と記すようになったということです。

投稿日:2008年11月14日(金) 09:09

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)