おもしろ「言葉」のおこり 4
● やきがまわる
もともとは刀鍛冶の専門用語です。刀の刃を鍛えるときに熱することを「焼き」といいますが、火が入りすぎると、逆に、切れ味が悪くなってしまいます。つまり「焼きがまわりすぎた」ということになり、これが、年をとったりして、腕前や能力が落ちる時に使うようになりました。
● はめをはずす
馬を制御するためにくわえさせた金具、あるいは荒馬の口にはめた縄を馬銜(はみ)といい、「はめ」の語源はこれだといわれています。つまり、「はみ」をはずすと、馬は自由になり、荒馬はあばれます。したがって、人間が調子に乗って気ままにふるまうことを「はめをはずす」というわけで、はめをはずす者は馬並みだということでしょうか。
● なしのつぶて
手紙を出しても返事がないときに「なしのつぶて」などといいますが、語源は、求愛の返事からきているようです。つまり、昔は、つぶて(小石)を相手に投げて恋を告白し、つぶてが返ってくることを期待しました。つぶてが返ってこないと、恋は失恋に終わり、このことから、音信のないことを「無しのつぶて」、音が同じところから「梨のつぶて」と記すようになったということです。