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「つじつまが合わない」 「けりをつける」

おもしろ「言葉」のおこり 2

● つじつまが合わない

話のすじがでたらめな時などに用いますが、語源は裁縫用語からきています。つじ(辻)は、裁縫で縫い目が十字に合うところ、つま(褄)は、着物のすその左右が合うところをいいます。つまり、この2つの合うべきところが合わないと、ちぐはぐな着物になってしまうことから、話の合わない不自然なことを「つじつまが合わない」というようになりました。

同じ意味に「矛盾(むじゅん)」という言葉があります。これは、中国の韓非子という書物にある故事からきています。楚の国にほこ(矛)とたて(盾)を売り歩く商人がいました。矛というのは、諸刃の剣に長い柄をつけた武器、盾というのは槍や剣を防ぐ武器です。商人が矛を売るときは「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」といい、盾を売るときは「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」といいました。それを聞いた客のひとりが「それではその矛で、その盾をついたらどうなる?」といわれて、返答に困ってしまったという話からきたものです。

● けりをつける

物事に結末をつける時に使う言葉です。つまり、この「けり」は、短歌や俳句の末尾に「秋は来にけり」「昔なりけり」「紅葉なりけり」などと結ぶことから、すっきり結末をつける意味で用いられるようになりました。

投稿日:2008年10月27日(月) 09:25

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)