おもしろ「言葉」のおこり 2
● つじつまが合わない
話のすじがでたらめな時などに用いますが、語源は裁縫用語からきています。つじ(辻)は、裁縫で縫い目が十字に合うところ、つま(褄)は、着物のすその左右が合うところをいいます。つまり、この2つの合うべきところが合わないと、ちぐはぐな着物になってしまうことから、話の合わない不自然なことを「つじつまが合わない」というようになりました。
同じ意味に「矛盾(むじゅん)」という言葉があります。これは、中国の韓非子という書物にある故事からきています。楚の国にほこ(矛)とたて(盾)を売り歩く商人がいました。矛というのは、諸刃の剣に長い柄をつけた武器、盾というのは槍や剣を防ぐ武器です。商人が矛を売るときは「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」といい、盾を売るときは「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」といいました。それを聞いた客のひとりが「それではその矛で、その盾をついたらどうなる?」といわれて、返答に困ってしまったという話からきたものです。
● けりをつける
物事に結末をつける時に使う言葉です。つまり、この「けり」は、短歌や俳句の末尾に「秋は来にけり」「昔なりけり」「紅葉なりけり」などと結ぶことから、すっきり結末をつける意味で用いられるようになりました。