おもしろ「言葉」のおこり 3
● どじをふむ
しくじったり、へたなことをしたり、まのぬけた失敗をしたりしたときに使う言葉ですが、相撲からきた言葉という説があります。むかしは、力士の足が土俵の外へ出ることを、土地を踏むといっていたことから、これが「どじをふむ」になったというものです。でも、江戸後期の本には「どぢ、鈍遅の字音か」と記されているため、鈍遅が鈍智に変化したのではないかという説、ヘマをする「とちる→とちり」からきているという説もあってはっきりしません。
● くだらない
価値がない、とるにたらない、ばかばかしい、といった意味に使われますが、語源は「関東の酒」からきたといわれています。むかしから酒といえば、灘とか伏見など関西が本場であり、江戸へも「下り酒」といって運ばれてきました。いっぽう関東の酒は東海道を通ることはなく、「下らぬ酒」といわれてきました。つまり、このことから「くだらない」が「価値がない」になったというのです。関西の人たちが自慢げにいう説ですが、「くだらない」という言葉は、「下り酒」「下りもの」といわれる以前から使われていたようで、朝鮮の古い国「百済(くだら)」からきているとか、仏教用語の「ダラ」からきているなど、これまた定説がありません。