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「ありがとう」 「うやむや」 「おいしい」

おもしろ「言葉」のおこり 7

● ありがとう

「ありがたい」は、漢字では「有り難い」と書きます。これは、「存在することがむずかしい」「めったにない」という意味で、もともとは法華経から出た、神仏への謝意をあらわす言葉でした。ところが、江戸時代に入ったころから、それまで使われてきた「かたじけない」にかわって、一般的なお礼の言葉として「ありがとう」が使われるようになったようです。何はともあれ、「ありがとう」はとても素晴しい日本語ですね。いわれて、気分を害する人はだれもいません。「ありがとう」が素直にいいたくないときや、ちょっと照れくさいときは、ちょっと茶化して使うのもおもしろいです。「ありがたい」を「蟻が鯛」に置き換えて、「蟻が鯛なら、芋虫ゃ鯨」・・・なんて。

● うやむや

「有耶無耶」──これが漢字で書いた「うやむや」です。「物ごとが有るか無いか、はっきりしない」さまであり、この「ありやなしや」が、いつのまにか「うやむや」と短く読まれるようになったようです。

● おいしい

「いしい」は漢字で「美」と書きます。つまり「いしい」とは、素晴しい、よろしい、お見事といったほめ言葉です。そして、この「いしい」に接頭語の「お」をつけて、美味だというときに使われるようになりました。もともとは、女の人だけが使う言葉でした。

投稿日:2009年01月22日(木) 09:03

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)