おもしろ「言葉」のおこり 7
● ありがとう
「ありがたい」は、漢字では「有り難い」と書きます。これは、「存在することがむずかしい」「めったにない」という意味で、もともとは法華経から出た、神仏への謝意をあらわす言葉でした。ところが、江戸時代に入ったころから、それまで使われてきた「かたじけない」にかわって、一般的なお礼の言葉として「ありがとう」が使われるようになったようです。何はともあれ、「ありがとう」はとても素晴しい日本語ですね。いわれて、気分を害する人はだれもいません。「ありがとう」が素直にいいたくないときや、ちょっと照れくさいときは、ちょっと茶化して使うのもおもしろいです。「ありがたい」を「蟻が鯛」に置き換えて、「蟻が鯛なら、芋虫ゃ鯨」・・・なんて。
● うやむや
「有耶無耶」──これが漢字で書いた「うやむや」です。「物ごとが有るか無いか、はっきりしない」さまであり、この「ありやなしや」が、いつのまにか「うやむや」と短く読まれるようになったようです。
● おいしい
「いしい」は漢字で「美」と書きます。つまり「いしい」とは、素晴しい、よろしい、お見事といったほめ言葉です。そして、この「いしい」に接頭語の「お」をつけて、美味だというときに使われるようになりました。もともとは、女の人だけが使う言葉でした。