「読み聞かせ」のすすめ 9
子どもへの読み聞かせは、毎日ではなくても、週に1、2回、少しの時間があればできます。しかし、これを1年、2年、3年も継続するには、それなりの意志が必要です。
そこで、読み聞かせを始めてはみたものの、子どももなかなか静かに聞いてくれないし、もうやめてしまおうかと思いはじめたお母さんに、すすめることがあります。それは、半日が無理なら2、3時間でもよいですから、子どもの本を備えた公共図書館か公民館、あるいは近くの家庭文庫などへ足を運んで、子どもの絵本をできるだけたくさん読んでみることです。絵本であればわずか2、3時間でも20冊くらいは読めます。公共図書館などがなければ、子どもの通う学校図書館でも、わけを話せば見せてくれるはずです。
こうして、自分自身が、まず絵本の世界にひたってみることです。すぐれた絵本は、必ずおとなの心をも打ち、絵本の素晴らしさに気づかせてくれます。
もしも、この図書館通いを2、3回も続けることができれば、何とかして読み聞かせをつづけてやろうという気持ちになるのは、もう間違いありません。子どもの豊かな成長を願う親なら、このくらいの努力も必要でしょう。
読み聞かせが長続きしないのは、子どもが悪いのではなく、絵本を好きになっていない親の側に責任があるのだということを自覚してください。