「読み聞かせ」のすすめ 3
母親から子どもへの「読み聞かせ」──これにいちばん大切なことは、読み聞かせるときの母親の 「心」 です。母から子への読み聞かせには、心のふれあいに大きな意味があるのですから、その心が欠けた読み聞かせでは何にもなりません。
「お母さんは忙しいのよ、早く始めましょ」 「早くしないと読んであげないわよ」 では、だめです。初めから心がとぎれています。15分か20分を子どもといっしょに遊び楽しむ気持ちにならないと、心と心が通いあわないのです。
「さあ、お母さんと○○ちゃんの、一番楽しい時間のはじまり、はじまり〜」 といいながら、まず自分が本を持ってきて、にこにこしながら座るといった、そんなあたたかさがあると、きっと成功するはずです。そしてこのときばかりは、お母さんの心が澄んでいないと、読み聞かせている作品に自ら感動することはできません。感動のない読み聞かせでは、子どもに感動を与えるはずはなく、せっかくの読み聞かせも形だけに終わってしまいます。
母親と子どもが共通の時間を楽しみ、おまけに1冊の本から得たあたたかさや、悲しみや、怒りや、喜びや、そして感動を分け合う──これがすばらしいのですから、口だけ動かしているような読み聞かせでは意味がありません。
「読み聞かせを続けようと思っても、子どもがついてこない」 というお母さん、お母さんの心に、まだ何かが足りないのではないでしょうか。