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親と子の心のつながりを深める

「読み聞かせ」のすすめ 2

家庭での 「読み聞かせ」 の大切さが説かれるようになった理由として、子どもの心を豊かにするほかに、もう一つすばらしいことがあります。それは、親と子の心のつながりを深めるということです。

テレビや、学校のテスト主義などによって、母親と子どものあいだに、少しずつ 「心のすきま」 ができてきました。そこで、読み聞かせにより、母と子が一つの世界を共有することで、心のすきまをうめていくことが願われたのです。

母と子が、たとえ10分でも20分でも、1冊の本、ひとつの物語のなかに心をとけあわせる。子どもにとっては、何にもまさる母親の暖かい声につつまれながら、充実した時間を共有する。これほどすてきなことは、他にあまりありません。

子どもは、時がたてば、読み聞かせてもらった本の内容は忘れてしまうかもしれません。でも、いっしょにページをめくった母親のぬくもり、自分のために読んでくれたやさしさ、ともに受けた感動は、いつになっても忘れることはないでしょう。

投稿日:2008年09月18日(木) 07:13

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)