「読み聞かせ」のすすめ 2
家庭での 「読み聞かせ」 の大切さが説かれるようになった理由として、子どもの心を豊かにするほかに、もう一つすばらしいことがあります。それは、親と子の心のつながりを深めるということです。
テレビや、学校のテスト主義などによって、母親と子どものあいだに、少しずつ 「心のすきま」 ができてきました。そこで、読み聞かせにより、母と子が一つの世界を共有することで、心のすきまをうめていくことが願われたのです。
母と子が、たとえ10分でも20分でも、1冊の本、ひとつの物語のなかに心をとけあわせる。子どもにとっては、何にもまさる母親の暖かい声につつまれながら、充実した時間を共有する。これほどすてきなことは、他にあまりありません。
子どもは、時がたてば、読み聞かせてもらった本の内容は忘れてしまうかもしれません。でも、いっしょにページをめくった母親のぬくもり、自分のために読んでくれたやさしさ、ともに受けた感動は、いつになっても忘れることはないでしょう。