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「教育」 の本来の意味は 「引き出す」 こと

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 87

日本で「教育」というと、教室で黒板を前にした先生が、一段高い教壇に立ってさまざまなことがらを生徒に教え、生徒は先生から教わるという上下関係にあるようです。幼児への家庭教育も同じで、多くの母親は、先生役になって子どもにしつけをする──教える母親、教わる子どもという上下関係にあると思っています。そのためか、知らず知らずのうちに独善的になり、子どもに対して圧制者のようになってしまっている母親をよくみかけます。

いっぽう、イギリスなどヨーロッパの人たちは「教育」のことを、子どもの本来持っている能力を「引き出す」ことだと考えています。英語の「教育」education の語源が、ラテン語の educatio (引き出す) ということだからなのでしょう。そのため、先生と生徒は並列関係にあります。

古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、アテネの街角に立ち、若者にさまざまな質問を投げかけ、若者の信じる考えを正しいものと仮定しながらさらに質問を続け、自分の説の間違いを若者自身に気づかせる教育法をあみだしました。これは「産婆術」ともいわれ、まさに「引き出す」という教育の原点になっているのです。

イタリアの幼児教育者、実践者として有名なモンテッソーリ女史の「子どもは、私たちの先生です」と、幼児からいつも学ぼうとする姿勢が教育理論の根底にあるのも、まさにこのことを意味しているのにちがいありません。

子どもの言葉や行動、心や感情の動きをしっかり把握して、よいところを引き出し伸ばしていく──母子関係を、これまで考えられてきた上下関係から、ほんらいの並列関係に立場を変えて、わが子から学ぼう、よいところを引き出してみようと、肩の力をぬいて、日々子どもと接していきたいものです。

投稿日:2008年09月09日(火) 09:03

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)