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よその子と比較しない

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 84

「○○ちゃんを見なさい。ちゃんとやってるじゃないの」 「みんなができるのに、どうしてできないの」 「そんなことじゃ、みんなに笑われるわよ」……。子どもを叱ったり、いましめたりする母親をよく見かけます。よその子と比較しながらわが子を見、よその子より劣っていると思えば案じ、よその子より優れていると思えば安心する。「♪ ナンバー1にならなくても もともとは特別なオンリー1」 と詞の内容に感銘して歌っても、おそらく、ほとんどの母親が知らず知らずのうちに、よその子との比較をしてしまっています。人間はひとり一人違う、子どもだってひとり一人違うと理屈の上ではわかっていても、どこかで置き去りにしてしまっているとしか考えられません。

いつもはテストで50点、60点しかとらないわが子が70点を取ってきたら、「だめだめ、○○ちゃんは100点だったっていうじゃないの、70点なんかじゃ……」 と子どもの尻をたたくのは絶対にやめ、「あら、今日は70点もとったの、頑張ったわね。すごいすごい」と語りかけてやる、つまり 「うちの子」 という一人の人間を尊重し、わが子を大きくとらえながら導いてあげることが大切なのです。

わが子に何か欠点のようなものがあるとしても、それを他との比較で案じたり戒めたりするのではなく、わが子の総体をあたたかく見つめてやりながら、その長所や短所を観察していくようにすれば、いたずらな不安も消え、「ほんとうのわが子」 の姿もみえてくるに違いありません。

投稿日:2008年08月26日(火) 09:07

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)