こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 81
その日、その日の気分次第で、子どもへの対応の仕方が変わる母親 「ひがわりママ」 をよく見かけます。母親自身にうれしいことや、うきうきすることがあった日は、いつもは 「いけません」 というのに、今日だけはいわない。反対に、自分自身が何かイライラしている時には、いつも子どもがうたっている歌でも、急に 「そんな変な歌、うたっちゃいけません」 といったり。
もしこんな時、子どもが 「昨日までは、そんなこといわなかったじゃないか」 と、かみつけば 「昨日まではよかったけど、今日からはいけないの」 と、訳のわからないことをいいだす。これは、子どもにとって迷惑な話です。でも、これもだんだん慣れてくると、子どもは子どもなりの対応をするようになります。ところが、怖いのは、このことから起こってくる問題です。
第1に 「ぼくがこうすれば、お母さんはこうする」 という期待感がいつもくずれるのですから、子どもの心は少しずつ不安定になってきます。第2に 「お母さんがどうでてくるかわからない」 ので、いつも、母親の顔色をうかがいながら、おそるおそるものをいうようになってきます。第3に 「お母さんに何をいわれるかわからない」 ので、必要以上のことはしゃべらないようになります。そして第4に、いつのまにか子ども自身も、人に対して、その時の気分にまかせてものをいうようになります。
母親のちょっとした言動が、こんな恐ろしいことにつながることを、ぜひ自覚してもらいたいのです。