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「ひがわりママ」 にならないで

こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 81

その日、その日の気分次第で、子どもへの対応の仕方が変わる母親 「ひがわりママ」 をよく見かけます。母親自身にうれしいことや、うきうきすることがあった日は、いつもは 「いけません」 というのに、今日だけはいわない。反対に、自分自身が何かイライラしている時には、いつも子どもがうたっている歌でも、急に 「そんな変な歌、うたっちゃいけません」 といったり。

もしこんな時、子どもが 「昨日までは、そんなこといわなかったじゃないか」 と、かみつけば 「昨日まではよかったけど、今日からはいけないの」 と、訳のわからないことをいいだす。これは、子どもにとって迷惑な話です。でも、これもだんだん慣れてくると、子どもは子どもなりの対応をするようになります。ところが、怖いのは、このことから起こってくる問題です。

第1に 「ぼくがこうすれば、お母さんはこうする」 という期待感がいつもくずれるのですから、子どもの心は少しずつ不安定になってきます。第2に 「お母さんがどうでてくるかわからない」 ので、いつも、母親の顔色をうかがいながら、おそるおそるものをいうようになってきます。第3に 「お母さんに何をいわれるかわからない」 ので、必要以上のことはしゃべらないようになります。そして第4に、いつのまにか子ども自身も、人に対して、その時の気分にまかせてものをいうようになります。

母親のちょっとした言動が、こんな恐ろしいことにつながることを、ぜひ自覚してもらいたいのです。

投稿日:2008年06月12日(木) 09:10

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)