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頭をたたかれた男の子

こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 80

ある花屋の店先でのことです。

母親に連れられた3、4歳の男の子が、花屋の前に並べてある鉢へ走り寄ると、いきなり、鉢の花を手にかけて、その花を摘みとろうとしました。あわてた母親は 「あっ、だめでしょ」 と叫ぶと、花の茎をつかんでいる子どもの手首を握って、まぎれもなく叱る時の声で 「離しなさい、早く離しなさい」。そして、子どもがやっと花から手を離すと 「お花がかわいそうでしょ」 と、いかにもその場をつくろうように、子どもを引きずるようにして向こうへ行き、やがて 「どうしてあんなことをするの」 の声といっしょに、子どもの頭をポカリ。

これは、おかしいようで、なぜか笑えない光景でした。

こんなとき、なぜ 「どうしてあんなことをするの」 に、なってしまうのでしょう。よく考えれば、その男の子が花屋の鉢の花であるにもかかわらず、それを摘もうとしたのは、母親のほうにこそ責任があるということは、すぐにわかります。この場合、「お花がかわいそう」 よりも、「自分のうちの物」 と 「よそのうちの物」 との区別を、きちんと教え導くべきでしょう。

このように、多くの母親のわが子への 「どうして」 は、親の方にこそ責められることがよくあります。「どうして、そんなにぐずなの」 などと叱られるのでは、子どもはたまりません。自分からすすんでぐずになったのではないのですから。

投稿日:2008年06月02日(月) 10:04

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コメント (1)

ヒロママ:

つい先日、同じ状況を
5歳の女の子で見ました。

その子は、祭りの会場に立てられていた
こいのぼりの尻尾が、ちょうど
手に届くところだったようで、
ちぎっていたのです。

その子の母親も、同じように
こいのぼりさんがイタイイタイするでしょ?
と、言っていて、
私は、5歳にもなって、その叱り方は
おかしいんじゃないかと思ったのです。

社会性を身につけるには、
段階があると思います。
3さいでは、
自分と他人との区別が出来ているかという
個人差が激しいころなので
なんともいえないと思います。

しかし、私の見た5歳児は
年長ですので、ある程度社会的な他人・個人の
区別は付いていると思いますので
その叱り方が適切でないと思います。

今回の記事は、少し、決め付けて過ぎている
気がしましたので、コメントさせていただきました。


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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)