今日5月30日は、「百年戦争」 でイギリス軍からフランスを救った少女ジャンヌ・ダルクが 「魔女」 の汚名をきせられ、1431年に処刑された日です。
14世紀から15世紀にかけて、イギリスとフランスは、長い戦争をくりかえしていました。これを 「百年戦争」 といいます。当時のフランスは、まだまとまった国になっておらず、イギリス王はフランスに広い領地を持っていて、いつかフランスを併合しようとたくらんでいました。そして、フランスのシャルル6世の妃が、イギリス王と結んでイギリス兵を国内に入れ、反対派を倒して、王冠をイギリス王にやってしまったのです。これがきっかけとなって、イギリスは首都パリを占領、フランスの北部はイギリスの手に落ちていきました。いっぽう反対派は、後にシャルル7世となる皇太子を立てて、どこまでもイギリスと対抗していました。
その頃、北フランスのドンレミといういなかの村に、ジャンヌ・ダルクという13歳の少女がいました。ジャンヌは 「フランスを救え」 という神のお告げを何度も聞きました。それから4年、イギリス軍はさらに南下していきました。そして1428年の秋、イギリス軍はオルレアンの町を攻撃します。オルレアンは、フランス西南部を守る重要なとりでです。「オルレアンを守りなさい」 というお告げを聞いたジャンヌは、髪を短く切って男装し、よろいを着て白い馬にまたがりました。人々はまさに神の使いと思ったにちがいありません。ジャンヌは、シャルル皇太子にあい、激戦中のオルレアンに進みました。フランス兵の士気はいちどに盛り上がり、その勢いに、イギリス兵はあわてて逃げ出しました。こうしてジャンヌは、オルレアンをとりもどし、国を救ったのです。
でも、ジャンヌの名声をねたむ者が、ジャンヌをイギリスに売り渡し、宗教裁判にかけられました。やがて判決が下され、ジャンヌは 「魔女」 として十字架にはりつけにされてしまいました。わずか19歳の命でした。しかし、1920年になって、ローマ法王は、ジャンヌを 「聖女」 の位につけ、フランスを救った英雄として讃えました。
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