こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 77
テレビに「はじめてのおつかい」という単発の長寿番組があります。母親が4、5歳の子どもにお使いを頼み、まわりの者をハラハラ、ドキドキさせながら、子どもが自分の力でお使いをはたすのを見守るというものです。
この番組を見ていつも思うのは、子どもに 「主体的に物事に取り組ませる」 ことの素晴らしさです。親の権威だけで子どもにいうことを聞かせるのではなく、あくまで子どもの主体性を大事にして、子ども自身に判断をゆだね、自分の力で何かをやろうとするものを充分残して導いていくところに、多くの人が共感するのでしょう。
水たまりの一角に、指先ででも一本の「みぞ」をつくってやれば、水たまりの水は自分の力で流れ出していきます。親の思い一つでひきずっていかれる多くの子どもは、自分の力で「みぞ」を流れていくことの喜びを味わえないままでいます。それにひきかえ、「はじめてのおつかい」では、お使いという「みぞ」へ自分の力で流れ出していくことで、自分の力で何かを知り、自分の力で一つのことを達成させながら、ほんとうの喜びをあじわいとっていきます。
子どものしつけというものは、本来、こうあるべきではないでしょうか。