「どうして氷の入ったコップは汗をかくの?」 おもしろ科学質問箱 14
空気は、いつでも水蒸気をふくんでいます。でも、空気が水蒸気をふくむ量には限りがあって、暖かい空気は水蒸気をたくさん含むことができますが、冷たい空気は少ししか含むことができません。そのため、空気がだんだん冷えてある温度より下がってしまうと、空気がこれまでもっていた水蒸気をもっていられなくなって、水に変わります。このように、水に変わる温度を露点といいます。湿度というのは、空気中の水蒸気の量を示しているので、湿度100%が露点ということになります。
氷の入った冷たいコップがあせをかく(水滴になる)のは、コップの表面の温度が露点以下になったからです。自然にできる露も同じで、水蒸気をふくんだ暖かい空気が、露点よりひくい温度になって、冷たい表面に水滴になってつくためです。ただ、朝方に葉っぱなどにつく露はそれだけでなく、植物そのものが根っこからすいあげた水もふくまれています。昼間は温度が高いため、根からすいあげた水は蒸発してしまうのに、夜は温度が低いため、蒸発しないためです。
以上のようなことがわかったのは、それほど古いことではなく、古代ギリシアのアリストテレスの時代から250年ほど前までは 「露は雨のように降ってくる」 と信じられていたそうです。