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ミケランジェロ 「最後の審判」

私の好きな名画・気になる名画 15
  
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最後の審判」は、天井画を描いてから20年以上もたった1536年、時のローマ法王クレメンス7世から、同じ礼拝堂の正面の壁に絵を描くように依頼され、構想から6年以上の歳月をかけ、1541年、ミケランジェロ66歳の時に完成させた幅13.3m、高さ14.5mの大作です。

「最後の審判」というのは、この世の終わりにキリストが善悪の裁きをして、善人は天国へ、悪人は地獄へ落とすという信仰に基づくもので、過去にたくさんの芸術家が、これをテーマに絵や彫刻に作り上げてきました。ミケランジェロは、そんな先輩たちの作品を参考にしながらも、空間においても、雄大さにおいても、独自の構想や構図を作り上げ、登場人物400名以上という圧倒的な迫力で豪快に完成させました。

中央上方に、右手を高く上げる身ぶりで、罪人を地獄にふり落とすキリストを中心に、そのかたわらで、天上に昇る善人を見守る聖母マリア。二人のすぐ両側には、ヨハネ、聖ペトロ、聖バルトロマイら預言者や使徒たちを配し、キリストが顔をむけている向かって右側は、罰せられて地獄に落ちていく人々、左側は救われて天上に引き上げられていく人々なのがわかります。

ミケランジェロは、キリストをはじめ主要人物を全裸で描きました。ところが、教会の祭壇に全裸では困るという声があがり、後の法王パオロ4世は、ダニエレという画家に命じて、腰布など44か所を描かせました。そのためダニエレには、「ブラゲットーネ」(「ズホン絵かき)というあだ名がつけられそうです。

なお、今日3月6日は、ミケランジェロが1475年に誕生した日です。その生涯につきましては、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。

投稿日:2008年03月06日(木) 11:07

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コメント (1)

伊福  幸恵:

初めまして。来月初めてのイタリアへ旅。ネットで色々調べていて貴方のサイト見ました。事前の知識持参でより深いキリスト聖書、ミケランジェロの云わんとする意味も多少理解出来るかも。 有難う御座います。

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)