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「くせに」 をやめて 「だから」 に

こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 73

母親が小さな子どもをいましめる時に使う言葉の中には、「あんな叱り方をしなくてもよいのに」 と思われることが少なくありません。たとえば 「……のくせに」 という言い方も、そのひとつです。

「お姉ちゃんのくせに、だらしがないわね。もっとちゃんとしなくちゃ」 「お兄ちゃんのくせに、弟をいじめたりして、だめでしょ」 「男のくせに、めそめそするんじゃないの」

この 「……のくせに」 は、お姉ちゃんであること、お兄ちゃんであることを自覚させようという思いがこめられ、それなりの意味はあります。でも、この言葉の中には、明らかに “とがめる” というものを含んでいます。

そこで、この 「……のくせに」 の言い方を変えて、「……だから」 にしてみてはいかがでしょう。「お姉ちゃんだから、もう、きちんとできるわよね」 「お兄ちゃんだから、もっと、弟にやさしくしてあげられるわよね」 「もう大きいんだから、がんばれるわよ」

この 「……だから」 には、同じ自覚をさせるにしても、しかったり、とがめたりといったものがなく、むしろ、ほめる要素を含んでいます。したがって、結果的には、子どもに不快感を与えず、何となく気持ちよくさせながら、自覚へ結びつけていけるのではないでしょうか。

投稿日:2008年03月03日(月) 10:16

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)