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電気冷蔵庫の原理の発見者はファラディ

「電気冷蔵庫は、なぜ冷えるの ?」 おもしろ科学質問箱 9

物を冷たくするには、物から熱をうばいとらなくてはなりません。冷蔵庫というのは、冷やしたものから熱をうばって、その熱を外にすてる必要があります。液体が気体にかわるとき(蒸発するとき)に、まわりから熱をうばうために、冷たくなります。注射する前にアルコール消毒すると、スーと涼しく感じるのも、アルコールが蒸発して、皮膚から熱をうばったためです。夏など、道に水をまくと涼しくなるのも同じ理由で、まいた水が蒸発し、地面の熱をうばったためです。

昔から、たくさんの科学者や発明家が、この蒸発するときに物が冷えるという原理を使って物を冷やす機械をこしらえる努力をしてきました。でも、なかなか実用化できる考え方がみつかりませんでした。1823年、「電気学の父」とたたえられるイギリスのファラディという科学者は、大きな発見をしました。アンモニアガスを圧縮したところ、液体に変わったこと。そして、液体のアンモニアを蒸発させたところ、熱をうばって冷えたこと。この2つの変化を電気の力で活用したのが、電気冷蔵庫の原理です。

現在の電気冷蔵庫の多くは、熱をはきだしたりすいとったりして、ものを冷やす物質(これを冷媒といいます)に、アンモニアではなく、フロン(フレオン)を使ってきました。この仕組みは、次の通りです。

冷蔵庫の心臓の役割をになうのが、コンプレッサー(圧縮機)で、自転車の空気入れのように、外から空気を入れてポンプで空気を押しちぢめてフロンガスを圧縮すると、フロンの熱は外へ出され、温度をさげて液体にかわります。液体フロンは、次に蒸発機(冷凍庫はここにあります)で蒸発させてフロンガスに変え、熱をうばわれた冷凍庫が冷えていくのです。気体→液体→気体という循環を電気でおこなうのが電気冷蔵庫の仕組みといってよいでしょう。

最近は、電気冷蔵庫の冷媒にイソブタンなどが使われるようになりました。フロンが、オゾン層という太陽の紫外線を吸収して地球上の生物が紫外線を浴びすぎない役割をする層を、破壊するということがわかってきたためです。

なお、クーラーも、電気冷蔵庫とまったく同じ原理を利用しています。

投稿日:2008年02月21日(木) 11:22

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)