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人間の先祖たち

「人間は、大むかしおサルさんだったってホント ?」 おもしろ科学質問箱 8

生物が地球上に生まれてから、20億〜30億年という、とほうもない時間が過ぎました。この生物の歴史の中で、人類が加わるようになったのは、ほんの何百万年というほどの単位でしかありません。生物の長い長い歴史の最後の1ページに、私たちの祖先がおそるおそる地上におりてきたといってもよいでしょう。

人間に近い仲間にサルがいますが、人間はサルと先祖は共通してはいても、のちにサルとなった一族とは分かれて独自の発達をしてきました。サルとの一番大きな違いは、人間が2本足で直立して歩くことからはじまったようです。

それは、いつからはじまったのでしょう。サルの生活は、基本的には樹上でのくらしです。人間の祖先もまた、長い樹上生活があったに違いありません。でも、人間の祖先はやがて、気候による食料の不足からか、草原に進出してきました。木からおりてきたサルの仲間であった祖先、これが驚異的な進化のはじまりでもありました。つまり、2本足で立つことが他の動物たちと人間との分かれ目であり、立って歩いて手の自由を得て、さらに道具を使うことによって人類の祖先が誕生したのでしょう。しかし、生活に適したものが生き残り、複雑で精密な頭脳を持つようになる進化の過程には、さらに長い時間が必要でした。

人間はどこからやってきたのか、この問いに答えてくれるものは、世界各地で発見される骨の化石です。つい最近までは、南アフリカで発見された200万年以上前の化石アウストラロピテクスが最古の人類と考えられていました。しかし現在では、人類の祖先はおよそ700〜800万年前までさかのぼることができます。それがラマピテクスやサヘラントロプスなどで、人類とサルとの分かれ目にいた最古の人類と考えられています。自由になった両手で、ごく簡単な道具くらいは使っていたと思われますが、まだサルに近い姿をしているので猿人とよばれています。

その後に地上に現われた人類は、原人とよばれるジャワ原人やペキン原人たちです。その名の通り、ジャワや北京郊外で発見された化石は、今から20〜50万年前と推定されています。

その次に現われたのが、より人間に近いネアンデルタール人です。今から15〜5万年前のヨーロッパに住んでいたこの人々は、はじめて死者のための葬式やその他の儀式的なことも行なっていたようです。でも、このネアンデルタール人も、猿人や原人たちと同様に、絶滅してしまいました。

そして、起源はまだ不明ですが、現人類の直系の祖先というクロマニョン人が、3万5千年ほど前にヨーロッパに現われました。彼らはラスコーやアルタミラの洞窟に見られるような芸術的な絵画を残し、さらに住居を作ったり、さまざまな優れた文化を生み出していました。

人類の歴史のほとんどは、石器時代であり、人類はまさに、石器時代の人々の気の遠くなるような長い間の自然との闘いに生き残り、築きあげられた生活なくしては成立しえなかったことを、私たちは忘れてはなりません。

投稿日:2008年02月15日(金) 10:56

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先祖の財産相続。いいものはイイ。悪いものはワルイ。遺伝は相続だ。相応の理の人間。悪な育ち方は、悪の実。善の育ち方は、善の実。先祖から受け継ぐもの。受け継ぐものの、影響を受ける人間。自分で変えようとする。家族の反対に会う。先祖から受け継ぐものと、ぺ手無し子がいきる。社会は振り向かない。自分で生きる。迷いの道。誘惑の道。家族と歩いてきた道から、外れているといわれる人間。ニシンの歌でも書く。ヒットチャートになって、儲けたなかにし礼詞兄。人々の気の遠くなるような長い間の自然との闘いに生き残り、築きあげられた生活なくしては成立しえなかったことを、ヨット経験から伝える戸塚宏船主。競争社会を切り抜けた。

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)