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18世紀の探検家 ジェームズ・クック

今日2月14日は、キャプテン・クックのよび名で知られ、世界の海を縦横に走り回って、さまざまな業績をのこした18世紀の海洋探検家ジェームズ・クックが、1779年に亡くなった日です。

クックは、1728年、イギリスのヨークシャーに生まれました。父は、農場にやとわれている労務者でした。家庭はいつも貧しく、農場の費用でようやく村の学校に通うことができました。生活のために早くから働かねばならず、雑貨屋で仕事をしていました。そのうち海にあこがれるようになり、思い切って海運業者のもとへ徒弟奉公にあがりました。数学と航海術をみっちりと学んだうえ、荒れる海を数限りなく経験して、クックは一人前のたくましい船乗りに成長しました。

クックは、すでに幅広い知識をもっていたので、それだけで十分社会に通用しました。しかし、よりいっそう新しい体験を求めて海軍に志願しました。ちょうどイギリスがフランスと戦争を始めたころです。戦艦ペンブルック号に乗りこみ、測量や製図などの方面で大いに活やくしました。地理上の調査にも腕をふるい、その力はおおくの人に注目されました。数学、天文学、測量術などの研究にうちこみ、評判は高まるばかりです。

そのころ、王立学会が南太平洋に遠征観測隊をおくって、金星の動きを観測してくることになり、司令官にクックが選ばれました。大西洋を南にむかった船は、1か月以上もかけてアメリカ大陸の南端を通過し、太平洋にでました。やがて、緑の島タヒチにたどりつき、観測に成功しました。クックの一行は、すぐには帰国しないで、そのまま南太平洋の探検をつづけました。海図にもでていない南方大陸を調べることが、もう1つの任務だったからです。そして大陸の一部と思われていたニュージーランドが南北につらなる2つの島であることをつきとめ、さらに西へ進み、オーストラリア大陸に達しました。クックが、大陸のようすをくわしく調査したのち、イギリスはオーストラリアを自分の領土にすることを宣言しました。

クックは、この大航海につづいて、さらに2回の大航海をなしとげました。南極へむかった航海では、ニューカレドニアやフィジーなど未知の島を多数確認しながら、新しい航路を開拓しました。たいへんな偉業でした。

ところが、最後の航海でアラスカ半島を回った時、北極海の厚い氷にはばまれて、それ以上進めなくなりました。しかたなく戻って、ハワイで過そうとしましたが、原住民と争って、海岸で殺されてしまいました。

なおこの文は、いずみ書房「せかい伝記図書館」(オンラインブックで「伝記」を公開中)6巻「ニュートン・フランクリン」の後半に収録されている14名の「小伝」から引用しました。近日中に、300余名の「小伝」を公開する予定です。ご期待ください。

投稿日:2008年02月14日(木) 09:30

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)