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しっかり挨拶のできる子に

こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 70

ほとんど毎日のように顔を合わせる近くの家の子なのに、そして、こちらの顔は十分に知っているはずなのに、外で会った時、何の挨拶もしない。こちらが、わざと大きな声で 「おはよう」 「こんにちは」 といっても、仕方なしに小さな声でぶつぶつと、挨拶らしいことばをもらすだけで、はっきりこたえようとしない。

今、こんな子どもが多すぎます。しかし、そんな子どもでも、子どもを憎む気にはなれません。その子が悪いのではなく、人に気持ちのいい挨拶をさせないようにしてしまった親に大半の責任があるからです。

挨拶もできない子は限って、何かを聞くと、無言か「別に──」 という返事がかえってきます。「学校はおもしろい?」 「遠足は楽しかった?」 と声をかけても、ただ「別に──」 と一言。これは、なんと悲しいことでしょうか。

わが子に 「よその人に挨拶なんかしなくてもいいのよ」 なんて教えている親はいないはずです。ところが、“親のふり” に学んでいるうちに 「挨拶のできない子」 が育ち、それが人への気くばりや思いやりの心をもむしばんでいって、せっかくこちらがやさしい心でなにか声をかけても、それに応えようとはせず、ただ自分の気持ちだけで 「別に──」 となってしまうのでしょう。

挨拶のできないこと、挨拶をしないことが何をもたらすのか、考え直してみる必要があるようです。

投稿日:2008年02月12日(火) 09:11

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)