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こわい母親への不信

こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 69

子どもが 「ねえお母さん、いっしょに遊ぼうよ」 というと、「お母さんはいま忙しいの。一人で遊びなさい」 と答える。「ねえ、お母さん、本読んで」 と言うと 「後で」 と答えてしまう。「ねえお母さん、今日、学校でね……」 と話しかけようとすると、「なーに、忙しいから早くおっしゃい」 という。

このごろ、こんな母親が多くなっているといいます。母親が家庭以外のことで、なにかと忙しくなっているからかもしれません。しかし、その時はなんでもないようでも、母親のこの冷たい態度は、子どもの心の中に、おそろしいものを生み出していきます。

それは、母親への不信です。「お母さんは、きっと私のことをあんまり好きじゃないんだ」 「私は、お母さんから愛されていないんだ」 という思いが少しずつつのり、それが、母親のいいつけには忠実であっても、心のどこかで母親を拒否する子どもをつくりだしてしまうのです。

そのうえ、一番あたたかく結ばれていいはずの母親とさえうまくいかないことによって、他人ともうまくいかない子ども、他人を心から愛せない子ども、他人を心から信頼しない子どもをつくりだしてしまいます。

脅かすわけではありません。後になって、(この子は親に反発ばかりする。どうしてこんな子になったのだろう) と思ったときは、もう遅いのです。

投稿日:2008年02月04日(月) 09:21

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)