「お風呂に入るとどうして軽くなるの ?」 おもしろ科学質問箱 6
水の中の物体は、空気中より軽くなる性質があります。それは、水の中の物体に浮力という浮く力が働くからです。浮力はかさ(体積)の大きいものほど、大きな力がはたらきます。
このことをはじめて発見したのは、今から2300年もむかし、ギリシアにいたアルキメデスという科学者です。あるとき、アルキメデスはお風呂に入り、湯船に身をしずめました。そのとき、あふれる湯を見てひらめくものがありました。そのひらめきというのは、[水中にある物体は、それと同じ体積の水の分だけ軽くなるのではないか] ということでした。
たとえば、縦、横、高さが60cm、つまり60立方cmで100gの石があったとします。それを水の中で重さを計ると、40gしかありません。水1立方cmの重さは1g、水60立方cmの重さは60g。(100g−60g=40g) 石と同じ体積の水の重さ分が軽くなります。
これが 「アルキメデスの原理」 とよばれている法則で、「液体の中に物体を沈めると、その物体がおしのけた液体の重さに等しい力が上向きにはたらく」 というものです。
船が鉄でできているのに浮いていられるのは、船の中には空気がいっぱい入っているために、船の重さ以上の浮力が働くためです。洗面器が浮くのや、ボールを水の中に押しこもうととすると、水はそれにさからってボールを押しあげるのもおなじです。みんな 「アルキメデスの原理」 がそのわけを教えてくれます。