「氷はどうして浮くの ?」 おもしろ科学質問箱 7
水に浮くものは、同じかさ(体積)の水よりも軽いものです。水は、たくさん冷やしていくと氷になります。氷になるとき、水が10の体積だったのが11くらいに増えて、大きくなります。重さは変わらないので、同じ体積での重さは、氷のほうが軽いため、水に浮くのです。
冬に水道管が凍って破裂するのも、岩の小さな割れ目に入った水が凍って岩を割ってしまうのも、霜柱が土を持ち上げるのも、みんな水が凍って体積が大きくなるためです。
水はよく知られているように、1気圧(1013ヘクトパスカル)の時に、摂氏0度で凍りはじめ、100度で沸騰します。そして、体積が一番小さいのは、摂氏4度の時で、温度が4度よりあがっても下がっても、体積がだんだんふえて大きくなります。お風呂に入っていて、上のほうが暖かくなるのはそのためです。
なお、水はふつう液体ですが、氷の時は固体、蒸発すると気体になります。やかんを沸かすと蒸発して水蒸気になりますが、水蒸気になると、体積は1650倍にもふえます。沸騰したやかんがふたを持ち上げてしまうのは、そのためです。むかし、蒸気機関車という汽車が走っていましたが、石炭を燃やして水を沸騰させ、その体積が増えた力で車輪をまわしていました。