「星と星がぶつかることはないの ?」 おもしろ科学質問箱 5
夜空を見上げると、それこそ無数の星たちがぎっしりと、ひしめくようにきらめいています。こんなにたくさんあるのだから、ぶつかってしまうこともあるのでは? と思ってしまいます。でも、それぞれの星同士は、これまたとてつもなくはなれた距離にあるのです。
たとえば、私たちの住む地球は、太陽系といって、太陽と太陽のまわりをまわっている8つの星を中心にしたグループです。太陽に近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星があります。太陽のように自分で輝く星を「恒星」というのに対し、太陽の光を反射する地球を含むこれらの星を「惑星」と呼びます。(冥王星は、太陽系の惑星とされてきましたが、2006年に開かれた国際天文学連合の総会で「準惑星」と分類されました)
太陽系の仲間だけでも、どのくらい離れて存在しているのかを、太陽をあなたの頭の大きさだと仮定して考えてみましょう。すると、いちばん太陽に近い水星は、あなたの頭から6メートルも離れたところの直径1mmほどの丸い粒でしかありません。金星は10メートル離れたところにある直径2mmほどの球、私たちの地球は、あなたの頭より15メートルも離れたところにある2.5mmほどの球体です。次の火星は、23メートル離れた地球より一回り小さな星です。続いて惑星の中で一番大きな木星は、80メートルも離れたところにある直径1.4cmのビー玉ほどの大きさです。土星は140メートル、天王星は300メートル、海王星は450メートルも離れています。そして、それぞれの惑星は、太陽の引力に引っぱられて、地球が1年かけて太陽の周りをまわるように、どの惑星も自分の軌道からはずれることなく、きちんと太陽のまわりを回っているのを知れば、宇宙にある星たちがぶつかることはない、と断定してよいでしょう。
ちなみに、太陽以外の地球から一番近い恒星は、ケンタウルス座のアルファ星ですが、これが4.3光年だそうです。星の距離はキロメートルという単位でははかりきれないので、光年という名称を使います。光は1秒間に30万キロメートル、1年間で10兆キロメートル走ります。そのためアルファ星との距離は40兆キロメートル以上も離れていることになります。もう想像するだけで、頭がこんがらがりそうですね。