こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 67
専門家によると、赤ちゃんに対する親の態度でいちばん欠けているのは、個性を見極めようとしないことだそうです。
にぎやかな声であやされたり、高い高いをしてもらうのを、赤ちゃんは誰もが好きだと思いこんでいる親が少なくありません。にぎやかな音や、はげしい刺激を喜ぶ赤ちゃんもいれば、静かな音や静かな運動を喜ぶ赤ちゃんもいるようです。個性を見極めるのは難しいことですが、一般的な思いこみを捨てて静かに向かい合うことを続ければ、お母さんには必ずわかるはずです。
多くの親は、赤ちゃんの個性を見つけようとしていないばかりでなく、幼児期になっても、親から、子どもの側に立って思いやることを失わせていくといいます。まわりの子どもたちの成長や行動にばかり目がいき、わが子をかれらと比較して判断していないかどうかを、機会あるごとに見つめなおしてみることは大切です。
「こうしてやるのがいいのだ」 という親の一方的な好意と思いこみ。これが原因になって、親と子どもの願望のずれが起こってくるのでしょう。抱かれるのはきゅうくつでいやだ。静かに寝かしておいて欲しい。──こう願っている赤ちゃんのいることを、十分に知っておかなくてはなりません。